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撮影がむずかしいオブジェクトVR10選

撮影がむずかしいオブジェクトVR10選

2Dの撮影との大きな違い

通常のスチール撮影では、1アングルがきちんと整理されていたら問題ないのですがターンテーブルを使ったVRの撮影では全方位での被写体の見せ方を求められます。例えば自立しないものを正面だけ撮るのであればアクリルやテグスで固定して後で消すのですが定石ですが、VR撮影の場合全フレームでそれをやる必要があるためなるだけ省力化し、なおかつ安定した回転が求められます。また照明もあまりにコントラストの高いライティングは、フレームによっては破綻するのでフラット気味のライティングが好まれます。ただし背景ありきイメージVRにおいてはフラット気味のライトが正解とはいえません。

反射物 映り込みが激しいもの 金属 トロフィー カトラリーなど

普通の2Dの商品写真でもむずかしいとされる反射物ですが制約が多いオブジェクトVRで表現するのは尚更困難です。レタッチの工数が増えるので撮影段階で余計な映り込みなど処理しておく必要があります。ディヒューザーを湾曲させてターンテーブル の周りを囲ったり無反射スプレーの力を借りなければならないことも多いです。

透過物 ガラス 化粧品など

透過物は基本後ろから光をいれて濁りを取る必要がありますが、ターンテーブル自体は光らないので上から撮る場合どうしても透過光を入れるのが難しくなります。

マクロ撮影 小さな商品 ジュエリー 鉄道模型など

大変小さな商品のVR撮影はセンター出しを慎重に行わなければなりません。少しでもセンターがずれただけでも左右にフレて見にくい画像になってしまいます。被写界深度の問題も発生します。前後左右の長さに差が少ないものはいいのですが鉄道模型のように横に細長いものは前後がボケやすくなるのでフォーカスを移動させて再度撮影する必要があります。

自立しない商品 バランスが悪く不安定な商品  

ローアングル

下から見上げるこのアングルは通常撮影は被写体をつるしたり、ガラスの上に置いて下からガラス越しに撮影することがあります。
ターンテーブルでの撮影を前提としたVRの撮影ではそれらの技法は適しません。そこで考えつくのは被写体を上下逆さま 回転方向を逆回しにして撮影する方法です。ただしこの場合トップ(スカイ)ライトを入れることが出来ないのでライティングの制約は大きくなります。

円柱形、円錐形の商品 ボトルや缶、チューブなど

意外に思われるかもしれませんが、円柱や円錐はセンター出しが非常に難しく、左右のフレが目立ってしまいます。慎重にポジションを決めたとしても微妙なフレが出てしまいます。それと生産性の問題もあるのである程度センター出しが成功したら、デジタル上で微調整をすることをお勧めします。キャプチャーワンでトリミングをして各画像をガイドに沿って合わせる方法とフォトショップでレイヤーとして読み込み各レイヤーを動かしながら位置調整する方法です。

ケーブルやコードを外せない商品 家電 電動工具

ケーブルを商品から外すことが出来ない場合 小さくまとめて商品と一緒に写し込む方法もありますが 商品が小さくケーブルが目立つようであれば画面の外側に逃します。ただしこの場合、通常の撮影とは違いターンテーブルで商品を回転させなければならないのでケーブル部分が抵抗になって商品が動くことを避けなければなりません。よってケーブルもターンテーブルの外周で同期して回すのが最も効率の良い撮り方になります。
またケーブルの切れ目が目立つようであればボカシを加えて徐々にフェードアウトさせていく処理も必要です。

液晶パネルやLEDなど発光部分を含む商品

ストロボなど大光量で撮影する場合 液晶画面は実際の見た目より暗く写る事が多く、後処理でその部分だけ明るくしたり、それでも足りない時は長時間露光の素材を別に撮影し合成する必要があります。

ギミックアクション

稼働部分を強調した回転画像を作る時の注意点としてスタートカットと最終カットの繋ぎ重要になります。1周1アックションの場合1番大きな変化を対角線のフレームに設定し、徐々に最初のフレームに近づける必要があります。また小さな動きの場合1周に対して2アクション3アクションを使ったり複雑な動きの場合2周で2アクションの表現を用いることもできます。

イメージVR 背景合成を前提とした撮影

別のコラムでも書きましたが、最初に背景ありきで進める方がいいでしょう。背景の色、照明、アングルを合わせてターンテーブルで撮影できれば、背景素材に馴染ませやすくなります。テスト段階でスクリーンショットを使って背景素材に合成して検証するのも精度を上げる点では有効です。

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